国際オリンピック委員会(IOC)は10日、スイスのローザンヌで総会を開き、柔道の1984年ロサンゼルス五輪男子無差別級金メダリストで日本オリンピック委員会(JOC)会長の山下泰裕氏(62)を新委員に選んだ。任期は8年で、日本から通算15人目のIOC委員誕生となった。

柔道界からは、日本人初のIOC委員で大日本体育協会(現日本スポーツ協会)を創設した嘉納治五郎氏以来約1世紀ぶり。現職では国際体操連盟(FIG)の渡辺守成会長と合わせて2人となり、7月24日に開幕する東京五輪の開催国としてIOCとのパイプ強化を推進する。IOC委員は五輪開催地など重要事項を決める投票権を持つ。

東京五輪招致疑惑でフランス司法当局の捜査対象となったJOC前会長の竹田恒和氏は、昨年3月に任期途中でIOC委員を辞任した。

総会ではIOC理事会が提案した候補者を諮り、過半数の信任を得て正式決定した。国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティノ会長(スイス)と国際テニス連盟(ITF)のデービッド・ハガティ会長(米国)も選出され、上限115人の委員は101人となった。(共同)