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新型コロナウイルス、防疫体制に課題 国内初の患者 - 日本経済新聞

中国の湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の患者が、日本国内でも確認された。武漢滞在中に発熱した後、検疫のチェックをすり抜け、日本に戻ってから感染を確認するまで9日間かかっていた。この患者は既に回復し、現時点で中国での感染拡大も止まっているが、国境を越える感染症への対応に改めて課題が浮かんだ。

厚生労働省によると、感染が確認されたのは神奈川県に住む中国人の30代男性。武漢市に滞在していた3日から発熱し、6日に日本に帰国した。検疫所では常時サーモグラフィーを使って入国者の体温をチェックしているが、男性は解熱剤を使用しており異常を認められなかったとみられる。

男性は6日に診療所で診察を受け、武漢滞在も申告したが、診察後は帰宅した。9日に39度の高熱となり、10日に別の病院で受診したところ、肺炎が広がる兆候があったため入院した。病院は14日に保健所に報告し、15日夜に国立感染症研究所の遺伝子検査で新型ウイルス陽性の結果が出た。

新型のウイルス性肺炎について注意喚起するポスターが掲示された成田空港検疫所。中国湖北省武漢市からの到着客が通過していた(16日午後)=共同

新型のウイルス性肺炎について注意喚起するポスターが掲示された成田空港検疫所。中国湖北省武漢市からの到着客が通過していた(16日午後)=共同

2019年4月に始まった感染症の報告制度「疑似症サーベイランス」の対象は、集中治療が必要な重症例などに限られている。厚労省は「制度に照らせば報告の経緯は適切だった」とする一方「もっと早く報告するよう基準を見直すべきか、議論していく」とした。

今回の新型肺炎に限り、国立感染研は15日から、肺炎の症状があれば重症でなくても保健所に相談するよう求めている。

武漢市衛生健康委員会によると、原因不明の肺炎発症が最初に確認されたのは19年12月12日。他の国が武漢滞在歴のチェックを始め、厚労省も1月7日になって検疫所で武漢滞在の自己申告を呼びかけ始めた。

厚労省の担当者は「当初は武漢からの入国者を見つけても感染を確認する手法がなかった」と説明。「検疫強化には限界があり、今後も患者が国内で見つかる可能性はある。患者を把握した後、早めにフォローできる体制を整えたい」と話す。

新しい感染症の流行を防ぐため、国際的には流行地域の政府が世界保健機関(WHO)に報告することを求める仕組みがある。05年に国際的な規則が改正され、隣国に広がる恐れのある新たな感染症を検知した後、24時間以内に通告する義務が課せられた。

中国当局は11日に肺炎の原因を新型コロナウイルスと特定し、12日に遺伝子配列情報を他国に公開した。03年に中国から重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行した際、同国は世界から報告の遅れを批判された。厚労省の担当者は「当時と比べ、中国側の情報開示は格段にスムーズになった」としている。

武漢市衛生健康委員会によると、14日時点で発症した41人のうち1人が死亡し、6人が重症となった。患者の発生が集中した海鮮市場は1日に閉鎖されており、3日以降、中国で新たな患者は出ていない。

夫婦間の感染が疑われるケースがあったことなどから、同委員会は「人から人に感染する可能性を排除できない」として調査を続けている。神奈川県の男性も海鮮市場には立ち寄っていなかったが、武漢市で肺炎患者と一緒に過ごしていた。

厚労省は同居する家族や医療従事者などの「濃厚接触者」以外にまで感染が拡大する可能性は低いとみており「過度に恐れる必要はない」と冷静な対応を求めている。

感染症に詳しい東北大の押谷仁教授は「SARSは発生後にウイルスが変異し、人から人に素早く感染するようになり、世界での流行につながった」と指摘。「新型ウイルスが同様に変異する可能性がないとは言い切れない。病原菌を精緻に調査する必要がある」と話している。

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