横浜港に停泊しているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号から新たに10人が新型コロナウイルスに感染していたことが確認された。うち日本人は4人。全員を病院に移送する。厚生労働省が6日、 発表した。同船の乗客・乗員で感染が確認されたのは検査結果が判明した102人中、20人となった。日本国内で感染が判明した人は計45人。
厚労省によると、新たに確認された10人は全員乗客で50代から70代。日本人以外の国籍は米国、カナダが各2人、ニュージーランド、台湾が各1人。
政府はクルーズ船の乗船者約3700人のうち、症状が現れている人とその濃厚接触者合わせて273人について検体を取り、感染の有無を調べている。残る乗船者については、14日間を念頭に引き続き船内に滞在してもらう方針。感染者がさらに増える可能性もある。
6日の衆院予算委員会では、後藤祐一氏(国民民主党)がクルーズ船に対し、乗客を自室内にとどまらせる措置を行った日時など政府に対応をただした。加藤勝信厚労相は5日の段階で船長に対応を指示したと説明。「そこから先は同室の者以外は濃厚接触にならないという状況をつくっている。14日たてばどこで発生したとしても、濃厚接触していないわけだから、感染していない者として健康観察期間は終了する」と述べた。
クルーズ船、入港拒否はできず
今回の事態を受け、地方自治体からはクルーズ船の入港拒否を求める声も上がっている。福岡市の高島宗一郎市長が1月30日付の ブログで、中国本土からのクルーズ船の入港と上陸を拒否したいと国の機関に要請したが、「現在できない」との回答だったと投稿している。
後藤氏は同委員会で、入港拒否を希望する自治体についてはクルーズ船の寄港制限を運航会社に要請すべきだと政府に求めた。これに対し、加藤氏は新型インフルエンザ特措法に基づく行動計画では国が要請することができる規定があるが、病原体が分かっている新型コロナウイルスは「新感染症」ではないため、特措法の対象にはならないと答弁した。
香港でも5日午前に入港したクルーズ船「ワールド・ドリーム」号の乗員・乗客3600人に対して検疫を実施している。港湾の保健責任者が明らかにした。乗客3人のウイルス感染が確認されている。
安倍晋三首相は5日夕官邸で開いた「新型コロナウイルス感染症対策本部」の 会合で、クルーズ船内での集団感染という「新たな事態の発生に直面」していると指摘。14日間の潜伏期間を想定し、当面船内にとどまる乗員乗客の健康確保に向け、医師や看護師を派遣する考えを示した。国内でのまん延防止策として、民間の機関でもウイルス検査を可能にするなど態勢強化に取り組むとも語った。
政府はまた、湖北省在住の邦人を帰国させるためのチャーター機の第4便を6日に派遣する予定で準備を進めている。中国籍の配偶者も搭乗を認めてもらうよう中国側と調整しており、200人程度の搭乗を想定している。必要に応じて第5便以降も検討する。
日本国内での新型コロナウイルスによる肺炎発症は計35例(5日現在) |
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(厚労省の発表内容や衆院予算委員会での質疑などを追加して更新しました)
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February 06, 2020 at 06:52AM
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