
日本の厚生労働省は毎年夏に前年の平均寿命を公表する。発表資料には、過去50年余りにわたる主要国の平均寿命の推移を示す折れ線グラフが付いている。(笹沢教一)
日本人の平均寿命はわずかに上向きの弧を描いて滑らかに右肩上がりで推移しているが、1990年以降でみると、男女ともに4か所ほど、小さいながらも、はっきりわかるくぼみがある。95年、99年、2005年、10~11年。滑らかな曲線に刻まれた傷痕のようにも見える。特に10~11年は2年続きのためにより深い。
これらの年には、突発的な理由で通常の傾向よりも死者が増える「超過死亡」により、平均寿命が男女とも前年を下回った。厚労省によると、1995年は阪神大震災、99年と2005年はインフルエンザ流行、10年は猛暑、11年は東日本大震災が原因だ。
災害、気候変動、感染症――。今我々が直面する地球規模の課題ばかりだ。平均寿命は高齢化の側面ばかりが強調されるが、右肩上がりの線は医学や生命科学の進歩の、点在するくぼみは過去に経験した様々な脅威の、指標でもある。
緊急事態宣言はひとまず解除されたが、新型コロナウイルスが流行した今年の状況はまだ先が見通せない。欧米並みの死者数に達したなら、来年発表のグラフを右下がりに折り曲げるだろう。どのような結果になっても、当局発表の数字が「少なすぎる」と、診断や検査の漏れを疑う声への答えにはなる。
厚労省のグラフにはない半世紀以上前の平均寿命を調べてみた。
(ここから先は読者会員のみ見られます。こちらでログイン・会員登録をお願いします)
"に" - Google ニュース
June 06, 2020 at 07:00AM
https://ift.tt/30pM9Kr
寿命曲線、過去にも「くぼみ」…今失われているのは数値より「人々の人生」 - 読売新聞
"に" - Google ニュース
https://ift.tt/2q0a0jR
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update
Bagikan Berita Ini
0 Response to "寿命曲線、過去にも「くぼみ」…今失われているのは数値より「人々の人生」 - 読売新聞"
Post a Comment