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「必死」につないだ54ホール 松山英樹は待望の優勝争いに高揚 - ゴルフダイジェスト・オンライン

◇米国男子プレーオフ第2戦◇BMW選手権 3日目(29日)◇オリンピアフィールズCC(イリノイ州)◇7366yd(パー70)

この18ホールに限らず、疲労感たっぷりの3日間54ホールだったはずだ。それでも、松山英樹の声のトーンは上がっていた。「昨日と変わらず、(ショットが)曲がって、必死にパーを獲り続けたって感じですね。スタートがすごく良かったので、その後は一生懸命、耐えるだけのゴルフだったけど、いいプレーはできたと思う」。通算1アンダーで首位タイ。優勝争いを引っ張る充実感が、気分を高揚させる。

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1番(パー5)でピンサイドのバンカーからチップインイーグル。派手なスタートで、いきなりリーダーボードの一番上に立った。4番ではフェアウェイ左から対角線上の右ピンを攻める理想的なマネジメント。セカンドショットを1mに絡め、早藤将太キャディと2人で慎重にラインを読んでバーディを奪い、出だし4ホールで3つスコアを伸ばした。

その後は「必死」「一生懸命」という本人の言葉通りのプレー。厄介な深いラフと硬いグリーンに加え、前日までとは風向きも変わっていた。6番(パー3)で風に惑わされてグリーンを外し、最初のボギーをたたいた。技を見せたのが7番、グリーン右からのアプローチ。球を高く上げるイメージの素振りをした後でプランを変更。土手に強く当てて勢いを殺すバンプアンドランの絶妙なアプローチからタップインでパーをセーブした。

「7番、8番、9番あたりからショットがうまく打てなくなった。ピンチの連続で苦しかった」と振り返る3ホールを8番(パー3)のボギー1つでしのぎ、単独首位で折り返した。10番でボギーとして同組ダスティン・ジョンソンら後続に並ばれても動じない。11番、12番と立て続けにシビアなパーパットを沈め、ティショットを深いラフに入れた14番も1.5mのフックラインをねじ込んで耐えた。

待望のバーディは15番(パー5)。左足下がりとなる右サイドのセミラフからセカンドショットを放つと、「ドロー」とつぶやいて気持ちをボールに乗せた。「ライン的に乗るとは思っていなかった」というが、花道の右を通して2オンに成功。着実に2パットで決めた。

今週はスリクソンの新1W「ZX5」、グリーン上でも黒いシャフト「LAGP」を挿したスコッティキャメロンのパターを投入。「ビックリするようなチェンジはないですけど、(パフォーマンスとして)いいものは出始めていると思う」とうなずく。

3シーズンぶりの優勝がかかる最終日は、世界ランキング1位のジョンソンと連日の同組で最終組を回る。「DJ(ジョンソン)は簡単そうにバーディチャンスをつくっていた。(結果的に)入っていなくても、ああいうゴルフができたらすごい楽なんだろうけど、(ラウンド中は)そんなことを思う余裕もなく、自分のプレーに必死だった」と繰り返した。

54ホールを終えてアンダーパーはわずかに2人。メジャーを除けば、PGAツアーでは過去20年で最も少ない記録となったほどタフな試合だ。松山も神経をすり減らしながら、「ストロークゲインド・アラウンド・ザ・グリーン」でフィールド1位に立つ小技で粘っている。「久々にここまでいい位置にいる。アプローチはすごくいい。ティショットとパッティングがうまくできれば、チャンスはある」。我慢比べの先に待つ、ツアー6勝目をつかみにいく。

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August 30, 2020 at 07:15AM
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