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ヘッドホン選びで僕がノイキャン機能を重視しない理由 - GIZMODO JAPAN

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世界の音キャンセルしなくていいやー。

Apple(アップル)初のヘッドホンが6万円超えで少々度肝を抜かれた今日この頃。通勤・通学はもちろん、在宅ワークが増えた今こそ、ノイキャンヘッドホンの需要はアップしているんでしょう。が、その流れに逆行するかのように、米GizmodoのLiszewski記者はこう言います。「ノイキャンヘッドホンに大金出す必要なくない?」と。ただボヤいているわけではありません。Liszewski記者が言いたいのは、もっと他の仕様を購入の決め手にしたほうがいいということ。


ホリデーシーズンに向けて、欲しいものリストにワイヤレスのノイキャンヘッドホンを追加した人、少なくないと思います。だからこそ僕は言いたい。正直なところ、各社のマーケによって消費者が信じ込まされているほど、ノイキャン技術って効果的ではないのでは?と。多くの時間を飛行機の移動で過ごすという人以外、どうせヘッドホンに投資するなら、バッテリー時間とかドライバの大きさとか製品クオリティの方にフォーカスした方がいいと思うのですけど。

望ましくない周辺音やノイズを、ヘッドホン(イヤホン)を装着することでカットする場合、その種類は2つ。パッシブノイズキャンセリングアクティブノイズキャンセリングです。パッシブノイズキャンセリング(または各社で考えたユニークな名称あれこれ)は、ヘッドホンから流れる音以外の音を物理的にシャットダウンする方法。耳全体を覆うヘッドホンや、シリコンなど柔らかい素材でできたチップのあるイヤホンなど、つまり耳栓の役割も兼ねたタイプがこれ。何十年と使われている方法で、ほぼヘッドホンの歴史と共にあるのですが、近年、ここにヒネリと加えたアクティブノイズキャンセリングが新手として登場。

アクティブノイキャン(ANC)は電子工学を用いることで、より効果的にノイズをフィルタリングする方法です。ヘッドホン・イヤホンの外側にあるマイクがノイズ=周辺音を探知、ヘッドホンに搭載されたシステムがそれをプロセスし、ユーザーの耳に届く前に消してしまいます。

アクティブノイキャンが発明されたのは1932年。その後1950年代にはパイロットのツールとして活用され、一般消費者の手に届くまで多少時間がかかりました。テクノロジーをヘッドホンに搭載できるほど小型化し、消費電力も考えねばならなかったからです。しかし時が経ち、ワイヤレス機能は最早当たり前。アクティブノイキャンを最初に世に広め、人気を博したのはBose(ボーズ)でしょうが、今やAppleもSony(ソニー)も猫も杓子も、アクティブノイキャン=マスト機能という姿勢…本当にマストですか?

アクティブノイキャンの効果はあるのか?と問われれば、YES。あります。一方で、みんなが信じているほどの効果があるのか?と言われたら、懐疑的。ニューヨークはタイムズスクエアの真ん中にヘッドホンつけて立ったとして、アクティブノイキャンをONにした瞬間にまるでSFのように世界から音が消え…ません。今のところ、低周波音は大きくカットできるものの、高周波音のカットは一部のみ。

昨今のトレンドとして各社「クイックアテンション」とか「アンビエントモード」のような機能を追加しており、これは、イヤーマフに手を当てるなどして、その間だけ周辺音を聴きやすくするというもの。例えば、オフィスで隣の人が話しかけてきた、カフェで店員さんが何か言っているなんてときに使います。この機能があることで、「さすがアクティブノイキャンだな、この機能がないと聴こえないんだ!」と思ってしまいますが、まぁ、そうでもない。ベストANCヘッドホンの呼び声高いSonyのWH-1000XM4ですら、近くで自分に向かって話している人の声は聴こえます。もちろん小さくはなっています。なってますが、テレビをミュートしたような状態ではありません。

冒頭で挙げたような飛行機にしょっちゅう長時間乗る人なら、ノイキャンヘッドホンにお金をかける甲斐があるというのは、つまりそういうことです。飛行機のジェット音のような低周波音は、まさにアクティブノイキャンの得意とするところで、かなりカットすることができます。ANCオンにしてヘッドホンつけていれば、たとえ音楽かけていなくても、かなり静かな機内体験になります。世界を飛び回るビジネスパーソン的な人が、搭乗後すぐにBoseのケースからヘッドホンを出すというあるあるな光景には、ちゃんと理由があるのです。しかしそうではない人、飛行機にそんなに乗らない人には、劇的な体験をする機会はないかと。だからアクティブノイキャンのあるなしでヘッドホンを選ぶ、アクティブノイキャン機能に高いお金を出す必要は、今はまだないと個人的には思っているんです。

周辺の世界から音をカットする一番簡単で手っ取り早い方法は、つけているヘッドホンから音を流すことです。ヘッドホンによって集中しやすい・しにくいはあるとは思いますが、とにかく聴きたい音に集中することです。オンイヤータイプのヘッドホンだって、イヤーカップの大きいものなら、物理的により耳を覆うので悪くないんです。ANCがなくても、聴きたい音楽を効果的に聴くという意味では十分なんです。集中して聴くという点では、個人的にはインナーイヤー型のイヤホンがおすすめ。外耳道にピタリとフィットするチップを使うのが鍵。シリコンがベスト。騒音のある環境で働くプロが装着する形状記憶フォームの耳栓のような、Complyの形状記憶フォームチップもよき。

ノイキャン機能以外のところに目を向けるとして注目したいのは、実際に耳に届ける音波を作り出すドライバのサイズ。例えばAirPodsだと6ミリ、SonyのWF-XB700ワイヤレスイヤホンだともっと大きな12ミリ。ドライバサイズによって音が大きくなるだけでなく、ベース音=重低音の音質が良くなり、結果として周辺音を打ち消すのも効果的に。

最後に。僕はアクティブノイキャンが嫌いか? 反対派なのか? いいえ、まったくそんなことありません。でも、謳い文句と実際のパフォーマンスにギャップがあるとは思っています。現在市場にあるアクティブノイキャン機能付きのヘッドホン・イヤホンをいろいろ試してみた結果、ある程度は働いてくれるものの、驚くほど効果的とはいえません。人の多いオフィスで、通勤の電車で、周りの音を完全にカットしたいと願っても、それは今のアクティブノイキャンでは叶いません。だから僕は、ヘッドホンを購入する時の選択肢にアクティブノイキャンは考えないようにしています

そのノイキャン、必要ですか?

Source : Andrew Liszewski/Gizmodo US

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