12月22日は「冬至」です。
全国的に厳しい寒さのこの時期は、お風呂でしっかり体を温めたくなりますが…皆さんは「ゆず湯」に入りますか?
およそ2人に1人はゆず湯に入る
ゆず湯に関するウェザーニュースの調査結果
2018年にウェザーニュースで冬至にゆす湯に入るかどうかを調査をしたところ、「入るつもり」56%と過半数になり、特に女性は高い割合(66%)でゆず湯に入ることが分かりました(2018年12月17日実施、回答10,602人)。
年代別で見ると、若い世代ほど「入らない」が、世代が上がるほど「入るつもり」が多いという傾向が見てとれます。若い世代の方で一人暮らしだと、なかなかハードルが高いかもしれませんね。
ウェザーニュース
冬至にゆず(柚子)湯に入る習慣は、江戸時代の銭湯から始まり、昔からゆずは体によいとされてきました。寒さが厳しく乾燥も進むこの時期、美肌や血行(冷え性)により敏感な女性がゆず湯に「入るつもり」なのもうなずけますね。
それでは具体的にどのような効果があるのでしょうか?ゆず成分の有用性について高知大学医学部 高知馬路村ゆず健康講座の溝渕俊二特任教授に伺いました。
ゆず湯は健康をもたらす
古くから「冬至の日にゆず湯に入ると風邪をひかない」と言われていますが、本当なのでしょうか?
「もともとは冬至→湯治、ユズ→融通の語呂合わせから、“湯治で融通よく”という意味を込め、ゆず風呂の習慣が定着したようですが、ゆず湯に入ると風邪をひかない、という言い伝えは間違ってはいません。
ゆずには風邪予防や保湿の効果があるビタミンCや血流改善を促すヘスペリジンなどが含まれ、体に良いことは近年の研究で科学的にも証明されています。さまざまな成分が、人を病気になりにくくさせ、安らぎをもたらしてくれるのです」(溝渕先生)
溝渕先生の解説によれば、ゆずの果皮にはビタミンCやヘスペリジンなどが多く含まれ、香りも有効とのことなので、ゆず湯に入る際には、皮に切り込みを入れたり、輪切りや半分にカットしたほうが効果的でしょう。
平安時代から伝わる薬用効果
ゆずは中国揚子江上流が原産で、日本に渡来したのですが、奈良・平安時代には薬用として栽培されていました。
では、どんな病気や症状に効くとされていたのでしょうか?
溝渕先生は、平安時代に著された日本最古の医学書『医心方(いしんぼう)』の記述を紹介してくれました。同書では、ゆずは飲食物の消化吸収を助け、切り傷を治し、熱や咳込みや嘔吐を鎮め、膀胱炎の諸症状や下痢をとめるなどの効能を挙げ、「精神を聡明にし寿命を延ばす」と結んでいます。
また、16世紀に中国で書かれた本草学の集大成書『本草綱目』には、「ゆずの種を黒焼きにしたものを煎じて飲むと体の痛みが和らぐ」とも記述されています。
このように昔から、ゆずは薬としての効能が民間に伝わり、ゆず湯としても風邪の予防や疲労回復等に用いられました。
ゆずの種には抗アレルギー、抗酸化効果がある
「植物が紫外線や昆虫などから身を守るために作り出す化学成分をファイトケミカルと言い、人もそれを摂取することで老化やさまざまな病気のリスクを低下させることが期待されていますが、ゆずには有効な抗酸化能が秘められているのです」(溝渕先生)
溝渕先生によると、馬路村農業協同組合が独自に製造するゆず種子オイルに抗アレルギー効果があることを見出されました。ゆずの種のオイルにはかゆみの原因となるヒスタミンの放出を抑える効果があることを解明し、乾燥肌やアトピー性皮膚炎の患者さんに塗布することで有効性が実証されているのです。
また、ゆずの種のオイルには活性酸素を消去する効果があることも分かっています。活性酸素に起因する疾患は動脈硬化をはじめアルツハイマー型認知症、皮膚の老化(シミ、ソバカスを含む)、炎症など多種多様で、活性酸素は全疾患の90%で発症に関与しているといわれます。
カプセル化したゆず種子オイルを摂取することで、これらの活性酸素がかかわる疾病予防も期待されているのです。
この冬はさまざまな効能を秘めたゆずのパワーを感じながら、ゆずたっぷりの風呂でその効能に浸りましょう。
【元記事はこちら】
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December 22, 2019 at 03:30PM
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