GAFAと呼ばれる米IT(情報技術)大手への反発が強まっている。各社はウェブ検索やネット通販、SNS(交流サイト)などあらゆるサービスを通じて国や地域を越えて利用者を獲得。膨大なデータも収集し、デジタル経済で強大な力を持つ。一方で、国家の人口を上回る利用者を獲得したGAFAに対しては個人情報の厳格な管理やデジタル課税など世界各地で規制強化が進む。デジタル通貨の発行・運営などIT大手は事業拡大を狙うが、各国政府や中央銀行の警戒感は強まっており、デジタル経済は発展と規制のはざまで揺れている。
■膨大な利用データ軸に巨大な経済圏築く
GAFAは米グーグル、米アップル、米フェイスブック、米アマゾン・ドット・コムの4社を示す。各社は多くの企業や消費者が利用できる共通のサービス基盤(プラットフォーム)を活用し、多様なサービスや広告収入で高い収益を得る。SNSを手掛けるフェイスブックの月間アクティブ利用者は世界で23億2000万人(2018年末時点)に上る。収集した膨大な利用データを強みとする一方、アマゾンのように電子端末やコンテンツ配信、クラウドサービスなど事業を多角化し自社の巨大経済圏を築いてきた。
急速に規模を拡大してきたGAFAだが、監視の目も強まる。18年3月にはフェイスブックから最大8700万人分の個人情報が漏れ不正流用されたことが発覚。米連邦取引委員会(FTC)は同社に過去最大となる50億ドル(約5400億円)の制裁金を科した。欧州連合(EU)の欧州委員会もインターネット広告事業でEU競争法(独占禁止法)に違反したとしてグーグルに14億9000万ユーロ(約1800億円)の制裁金を払うよう命じた。
EUは18年5月に企業に個人情報の開示や削除などの義務を定めた一般データ保護規則(GDPR)を施行しており、情報管理を厳格化する。膨大なデータを持つGAFAはプライバシー保護などに取り組む姿勢をアピールする。アップルはデータ収集や保護の仕組みを詳しく解説した「白書」を公開し、グーグルも検索や位置情報などの履歴を一定期間たつと自動削除する機能を追加した。
■デジタル通貨「リブラ」新たな火種に
各国で事業展開する企業へ適切に課税するためデジタル課税の議論も加速している。GAFAなどIT企業は拠点や人員を置かずに海外展開できる。そのため各国にとっては企業の利益を適切に捉えて課税することが課題となっている。経済協力開発機構(OECD)では物理的な拠点がなくても国ごとの売上高に基づいて利益への課税権を持たせる案を提案している。
新たな火種はフェイスブックが主導するデジタル通貨「リブラ」だ。電子決済に便利なデジタル通貨だが、中央銀行の統制が及ばないことへの懸念から批判が強い。
冷める「ユニコーン」熱 成長神話に綻び
2019年は世界で新規株式公開(IPO)が転機を迎えた。企業価値が10億ドル(1000億円強)を超える「ユニコーン」と呼ばれた企業が、上場後に株価が大きく下がったり上場を延期したりした。スタートアップ企業に高い期待をいだいていた投資家が、企業の実力を見極めようと慎重になったようだ。
■ウーバー、赤字体質から脱却できず
19年の目玉案件として注目されたのが、5月にニューヨーク証券取引所に上場した米ライドシェア大手ウーバーテクノロジーズだ。上場時の時価総額は約820億ドル(約9兆円)に上ったが、当初見込まれた1000億ドルを超える水準には届かなかった。運転手らへの報酬などがかさみ赤字体質から抜け出せていないことが、市場の評価を下げた。その後も株価は下落が続き、初値と比べて3割程度安い。
他の「ユニコーン」も株価の軟調さが目立つ。3月に上場したライドシェア大手リフトや、6月に上場したビジネスチャットの米スラック・テクノロジーズも直近では、初値を大きく下回る。ビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズや写真共有サイトのピンタレストといった企業も、上場直後こそ株価が堅調だったものの、最近は伸び悩んでいる。
公開価格と初値を比較し、IPO企業の人気ぶりを測る「初値騰落率」を見てもその傾向は顕著だ。QUICK・ファクトセットのデータを日本経済新聞が集計したところ、19年7~9月は日米欧で平均15%だった。四半期ベースで14年4~6月(13%)以来、約5年ぶりの低さだ。IPOは公募・売り出し株数に限りがある。入手できなかった投資家が上場初日に市場で買おうとするため、一般的に初値が公開価格を上回ることが多い。新興企業への期待が小さくなったようだ。
■経営のつまずき、日本企業にも損失
上場の延期も相次いだ。9月に上場を予定していたシェアオフィス大手「ウィーワーク」を展開する米ウィーカンパニーが延期に追い込まれた。同社は赤字からの脱却が見えないまま拠点を一気に拡大。さらに上場にあたり、創業者に1株あたり通常の20倍の議決権を持つ種類株を割り当てる計画を立て、投資家の反発を招いた。英ロンドン証券取引所ではカザフスタンのフィンテック企業カスピが10月に上場を延期。時価総額は5000億円以上と中央アジア企業ではここ数年で最大のIPOになるはずだった。
ユニコーン企業のつまずきは出資する日本企業の業績にも影響を及ぼした。ソフトバンクグループは19年7~9月期の連結決算(国際会計基準)で、ウィーカンパニーに関わる投資損失を計上して、最終損益が7001億円の赤字(前年同期は5264億円の黒字)に転落した。楽天も投資先のリフトに関連して約1000億円の損失が発生。19年1~9月期の連結最終損益が141億円の赤字(前年同期は1079億円の黒字)に落ち込んだ。
インターネットビジネスではシェアを押さえたトップ企業だけが生き残る「勝者総取り」の構図になりやすい。そのため、利益の伸びよりも成長投資を優先する企業が多い。これまでは主要国の金融緩和による「カネ余り」を背景に赤字企業にも投資マネーが集まっていたが、投資家の視線は厳しくなっている。未公開株のバブルは終わりを迎えつつある。
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December 27, 2019
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