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中東情勢緊迫、新年最初の金融取引に影:識者はこうみる - ロイター (Reuters Japan)

[東京 6日 ロイター] - 2020年最初の株取引が行われた金融市場は、中東情勢への懸念などから日経平均が大幅に下落して始まるなど、波乱含みの幕開けとなった。市場関係者の見方は以下の通り。

<野村証券 投資情報部長 西澤隆氏>

米国とイランの対立を受け、2020年の大発会は2019年と同じく大幅安でのスタートとなった。ただ、米中貿易摩擦の緩和に加え、米国株は最高値を更新し底堅く推移するなど、去年と比較すると市場環境は改善されている。押し目があれば、買いが入る動きにつながりやすい環境となっている。

今年最大のリスクは米大統領選挙だ。トランプ大統領の再選はマーケット的にプラスと捉える投資家は多いが、果たしてそうだろうか。マーケットは政策を織り込むため、不確実性を嫌う。今回のイラン革命防衛隊の精鋭部隊司令官の殺害が突然の出来事だったように、トランプ氏の動きは不確実性が高い。民主党候補の一人であるウォーレン氏は、オバマ前大統領の補佐官を務めるなど経験豊富だ。同氏が政策に沿って実施し、安定を実現するとなれば、マーケット的にプラスと捉えることもできる。短期的なスパンで考えると、ウォーレン氏の台頭はマーケット的にネガティブであることは間違いないが、大統領選が迫ってくるなか、中長期的な影響も精査せざるを得ないタイミングとなっている。

<三菱UFJモルガンスタンレー証券 チーフ投資ストラテジスト 藤戸則弘氏>

注目したいのは、中東情勢の緊迫化という懸念材料に対して、米国株式市場がそれほど下がっていない点だ。日米の株価パフォーマンスで差が生じたのは昨年末から兆候が現れていたが、それは日米両国市場の需給構造に違いがあるため。米国は多様な投資家が参加している一方、日本は海外勢が主な買い手で、彼らが見送ると相場が軟化する脆弱な状態が今回の下げで露見した格好だ。日銀のETF買いという下支え要因があるものの、上値を買う勢力は海外勢のほかに見当たらない。

海外勢の買いはクリスマス休暇までに一巡し、その後は腹いっぱいの状態となって、買いが入らなくなったのが、日米の株価パフォーマンスの差につながったとみている。そうした中で、ロングポジションを取っていた投資家が、利益確定売りか損切りか定かではないながら、ポジション解消で先物売りに走ったことが大幅安を引き起こした。

さらに、日本のファンダメンタルズに不安が生じていることも、下げの要因となっている。直近の鉱工業生産など統計をみても、消費増税の影響が大きいと思わせる状況だ。これに、円高、原油高が加わるとなれば、買いを見送らざるを得なくなるだろう。

<第一生命経済研究所 主任エコノミスト 藤代宏一氏>

米国とイランの対立に伴って原油高・円高になるという典型的なリスクオフのパターン。米国で3日に公表されたISM製造業景気指数もかなり弱い内容だったことも踏まえれば、日経平均が400円超安となるのは致し方ない。

ただ、昨年末にかけて米国株は力強く推移し、米経済指標でも最近は製造業関連で基調が反転しつつあるものも多い。ISM製造業景気指数が示しているほど米経済は弱くはない。きょうは地政学リスクを嫌気して下げているが、この株安が持続的な動きになる可能性は低いだろう。

日本の生産関連の指標も決して強くはないものの、ネガティブサプライズが連続するような状況ではなくなってきた。引き続き5Gなどのテーマの下、電子部品関連で底堅い動きになるというのがメインシナリオだ。

<野村証券 シニア金利ストラテジスト 中島 武信氏>

中東情勢の緊迫化は必ずしも金利低下要因とは限らない。原油価格が上昇すれば、金利上昇要因となるからだ。

ただ、今回はそれほど原油価格は上昇しないとみている。2008年に最高値を付けたときは、サブプライム問題を背景にした原油市場へのマネー逃避需要があったが、今回はそうした逃避需要は限定的だろう。現在、OPECプラスが協調減産を行っているが、原油価格が大きく上昇すれば、減産が縮小され、価格上昇が抑制される可能性が大きい。

1月6日、2020年最初の株取引が行われた金融市場は、中東情勢への懸念などから日経平均が大幅に下落して始まるなど、波乱含みの幕開けとなった。写真は都内で株価ボードを眺める男性(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

さらに米ISM製造業指数が悪化を続けるなど景気への懸念が浮上しており、原油の実需拡大観測も高まりにくい。ドル円ベーシスは足元でマイナス幅が縮小しているが、例年、年明け以降はジリジリと拡大する傾向がある。海外勢の円債投資も徐々に回復してこよう。日銀の追加緩和期待はほぼゼロまで低下しており、今後は利下げ期待が高まる余地がある。

このため、今回、金利は低下する可能性が大きいと予想している。今後、3カ月間の10年最長期国債利回り(長期金利)の予想レンジとしては、マイナス0.15%─ゼロ%とみている。

*内容を追加しました。

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January 06, 2020 at 10:05AM
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