在沖縄米軍が陸上自衛隊日出生台(ひじゅうだい)演習場で実弾砲撃訓練を始めて3日目の14日。演習場に近い玖珠町日出生小野原(おのばる)で暮らす畜産農家、衛藤栄一さん(71)は牛舎で作業の手を止めた。
携帯電話の画面を確認すると、訓練終了時間の午後8時を過ぎていた。「まさか約束を破るとは…」。怒りがこみ上げた。
その後も1時間近くにわたって重低音が続き、同夜の砲撃は22発に上った。
演習場周辺は高齢世帯や畜産農家が多い。夜間の砲撃音と振動は「平穏な生活や子牛の繁殖などに支障が出る」と訴えてきた。
県と由布、玖珠、九重の地元3市町は住民の声に配慮し、2012年10月に九州防衛局と覚書(17年に確認書に格上げ)を締結。従来よりも1時間早い、午後8時以降の砲撃自粛を米軍に求めてきた。
近隣地域は沖縄からの訓練移転が決まった1997年度以降、約860世帯が国の補助を受けて居間などの防音工事をした。衛藤さんの自宅も対策済みだが、「補助の対象外で工事をしていない玄関などから、音や振動が伝わる。やっぱり落ち着かない」と漏らす。
ルールに反した夜間砲撃は2015年と17年にも1日ずつあった。複数日に及んだのは今回が初めてだ。米軍は地元や防衛局の要請を無視し続け、14~19日に計5日間、計67発を発射した。
12年の覚書調印式に立ち会った九重町の坂本和昭前町長(78)は「午後8時までの取り決めは訓練の拡大傾向を押し返すだけでなく、縮小廃止の方向に動かした意味で非常に意味があった。そこに込めた地元の思いを踏みにじった米軍の姿勢は許せない」と憤る。
米軍は予定日数の8日間を消化した翌20日も、小銃などを使った小火器訓練を強行した。「極めて憂慮すべき事態。信頼を根底から覆す」(広瀬勝貞知事)と抗議の声が相次いだ。
常軌を逸した行動は、どんな狙いがあるのか。衛藤さんは「地元の言うことは聞かない、自分たちのやりたいようにやるぞというメッセージなのではないか。この先、訓練内容そのものも変質しかねない」と憂えた。
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本年度で14回目となる日出生台演習場での実弾砲撃訓練が終了した。多くの問題を残した訓練を検証する。
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February 23, 2020 at 01:01AM
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地元を無視67発 夜間の砲撃「生活に支障」 - 大分合同新聞
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