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震災の教訓生かせ、企業が次に備え - 日本経済新聞

東北自動車道と磐越自動車道が交差する郡山ジャンクション(JCT)に近い福島県郡山市の喜久田町。医薬品卸の東北アルフレッサ(郡山市)が約75億円を投じた物流センターの建設が急ピッチで進む。完成すれば敷地面積約2ヘクタール、延べ床面積約1.8ヘクタールの医薬品専用としては東北最大級の物流施設になる見通しだ。

東北アルフレッサが建設中の物流センターは多様な防災機能を備える(福島県郡山市)

東北アルフレッサが建設中の物流センターは多様な防災機能を備える(福島県郡山市)

このセンターは大きさだけでなく、地震などに備えた防災機能を持つのが特徴だ。停電に備え、非常用自家発電機や太陽光発電パネルを完備。燃料不足に備え、ガソリンや軽油の自家用スタンドも設置する。屋上にはヘリポートを設け、道路が寸断しても東北各地の配送拠点に必要な医薬品を届けられるようにした。

アルフレッサグループは2011年の東日本大震災で、複数の配送拠点が地震や津波で使えなくなった。病院向けの医薬品は供給が滞ると、人命に関わりかねない。震災後もしばらくは道路の寸断や燃料不足で綱渡りの供給が続いた。当時の教訓を生かしたセンターの稼働で、災害時の影響を少しでも小さくしたい考えだ。

センターには別の目的もある。「首都圏で大規模災害が起きたときのバックアップ拠点にする」(同社幹部)ことだ。

「イオンモールいわき小名浜」は津波に備え、2階をメインフロアにした(福島県いわき市)

「イオンモールいわき小名浜」は津波に備え、2階をメインフロアにした(福島県いわき市)

福島県の太平洋岸にあるいわき市は震災により、多くの地域が高さ5~7メートルの津波に襲われた。そこで、小名浜港に面した場所に18年に開業した商業施設「イオンモールいわき小名浜」(いわき市)は1階の大半を駐車場にし、メインフロアは2階にした。買い物客は歩行者専用通路で周辺と行き来できる。

津波が来たら客は5階相当の屋上階に避難する設計だ。受変電装置は3階、非常用発電機と燃料タンクは屋上階に置いた。

地域密着を進めるため、災害時の備えをする例もある。LPガス販売などを手掛ける常磐共同ガス(いわき市)が福島県広野町の工業団地に整備中の事務所兼倉庫は災害時に周辺住民らの一時避難所として利用できるように非常食3000食を常備する。

新しい事務所兼倉庫の近くには総合公園があり、周辺には住宅も多い。広野町は沿岸部が津波の被害を受けたうえ、東京電力福島第1原子力発電所事故では一部の住民が避難を余儀なくされた。同社が災害時の備えに力を入れる背景には、防災意識が高い土地柄もある。

東北を地盤とする食品スーパーのヨークベニマルは震災で当時の170店のうち105店が全半壊した。セブン&アイ・ホールディングスの支援を受けながら、懸命の復旧を作業を続ける中で得た教訓は「現場への権限委譲の大切さだった」(ヨークベニマル役員)。

店舗の被害や提供可能な商品は店によって大きく異なった。自身も被災者である多くの社員やパート従業員が出社できるかどうかも本部では分からない。

予想外のことが起きた場合、店長の臨機応変な対応が重要になる。そのためには、普段から現場が行動しやすい体制にしておく必要があると感じたという。

企業は震災の教訓を生かし、ハードとソフトの両面で次の災害に備える。異常気象による災害が頻発するなか、防災対策や事業継続計画(BCP)の重要性は一段と増している。(郡山支局長 村田和彦)

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March 16, 2020
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