新型コロナ、世界の感染200万人に迫る 死者12万人 - 日本経済新聞

ニューヨークでは警察官の間でも感染拡大が深刻な問題になっている=AP

【ニューヨーク=伴百江】米ジョンズ・ホプキンス大学によると、新型コロナウイルスの世界の感染者数は14日午後6時（日本時間15日午前7時）時点で約197万人と、200万人の大台に迫った。死者数は12万人を超えた。欧米の一部地域では感染者数が頭打ちとなり経済活動再開の議論が浮上しているが、回復後に再び陽性になるケースが報告されるなど各国政府は難しい対応を迫られる。

感染者数が最も多い米国では約60万人に達し、死者数が2万5千人を超えた。イタリアでは累計の死者数が2万人を超えた一方、新規の感染者数が約1カ月ぶりに3千人を割り込み、感染拡大に歯止めがかかりつつあるとの見方も出ている。

ニューヨーク州では感染者数が20万人、死者数が1万人を超えた。ただ、同州のクオモ知事は14日の記者会見で、1日当たりの入院患者数が初めて減少に転じ、1日当たりの死者数も横ばいの傾向となっていると指摘。コロナ感染の状況はピークに達しつつあるとの認識を示した。

一方、ニューヨーク・タイムズ（電子版）は14日、ニューヨーク市内でコロナの検査を受けなかったものの、感染の症状が出て死亡した人の数が14日時点で3700人超に上ると報じた。その数を加えると米国全体の死者数が大幅に増える可能性がある。

トランプ米大統領は経済再開へ向けた方策を探るが、外出制限の解除や社会活動の再開について州政府との足並みはそろっていない。クオモ知事は14日、経済再開にはニュージャージー州やコネティカット州など周辺地域との協力が必要で、実現の見通しはまだたっていないとの立場を示した。

トランプ大統領はツイッターで「連邦政府に対する反乱だ。すべての権限は大統領にある」と強い非難を表明するなど州と連邦政府のあつれきが強まりつつある。

依然として必要とされるマスクなど医療備品の調達も連邦政府からの支援が不十分で、州や自治体レベルの対応が求められている。ニューヨーク市のデブラシオ市長はこの日の記者会見で「医療用備品を市内で生産し、自給自足の体制を整えた」と表明。市内の工場で医療用ガウンやフェイスシールドなどを生産するほか、コロナ検査キットをインディアナ州のバイオ企業から調達すると発表した。

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April 15, 2020 at 02:45AM
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