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日陰者だったコロナウイルス 「研究やめずによかった」 - 朝日新聞デジタル版

 コロナウイルスの研究者は、国内に多くはいない。そのうちの一人、東京農工大の水谷哲也教授(55)が「新型コロナウイルス 脅威を制する正しい知識」(東京化学同人、税抜き1200円)を出版した。マイナーだったコロナウイルスは、いまや超有名なウイルスとなった。「コロナを研究し続けてよかった」と語る研究者が、コロナウイルスの正体を暴く。

 1990年代ごろ、コロナウイルスの研究室は国内で三つぐらいしかなかった。学会では、インフルエンザウイルスやヒト免疫不全ウイルス(HIV)などメジャーなウイルスの陰に隠れた「その他のウイルス」扱いで、「他のウイルスがうらやましかった」。

 大学は獣医学部で、マウスで肝炎を起こすコロナウイルスについて研究していた。非常に感染力が高く、実験用のマウス1匹が感染すると、全てのマウスが簡単に感染してしまうほど。建物を丸ごと消毒する必要があるやっかいなタイプだった。

 コロナウイルスは猫伝染性腹膜炎や豚流行性下痢など、どちらかというとヒト以外の動物で感染するウイルスとして有名だった。

 ヒトの場合、風邪をひいたら大…

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