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娘がイヤイヤ期に突入、救世主「ニニー」が現れたと思ったら… - 読売新聞

 子育て中の親にとって、大変な時期の一つがイヤイヤ期。東京で子育てに奮闘する地方出身の元ヤンママ・アッコさんの家でも、ついに娘さんのイヤイヤ期が始まったようで……。読売新聞オンラインの人気連載「元ヤン子育て日記@TOKYO」。今回のテーマは、“面倒くさい生き物”との付き合いで見えてきたこと。

 「子育て日記」をつづりながらこんなことを言ったら怒られそうだが、若い頃は子どもが大嫌いだった。

 例えば、地元のショッピングモール。友達とのんびり買い物を楽しもうと思っていると、何かをおねだりして泣きわめく子どもたちに出くわしたりする。床に寝そべり、ジタバタする姿を見る度に、「うるさいし、かわいくない!!」と思っていた。

 しかも、しかも! そういう子どもたちは大抵、キャラクター物の洋服を着て、下手すれば左右バラバラの靴を履いている。いかにも田舎のガキって感じで、ダサいの一言! 親たちは一生懸命子どもをなだめていたけど、何でこんなに面倒くさい生き物がかわいいのか、理解できなかった。

 だから、結婚する前、私は「子どもは別にいらない」と言っていた。
 百歩譲って子どもができたとしても、だ。かわいいお洋服を着せて、インスタ映えするような“オシャレ親子”に、自分はなるものだと想像していた。だけど……。

 私の娘は現在、ちょっぴり早い「イヤイヤ期」真っただ中。

 「いやや! いややーーー!」。東京生まれのはずなのに、親譲りの方言で何にでもNOを突きつけてくる。

 「ご飯食べる人ー!」。首とスプーンを振り回してNO!!
 「歯磨きする人ー!」。体をねじ切れんばかりによじってNO!!

 2歳を目前にして、どうも全てのことを自分でやりたいみたい。お洋服は自分で着たいし、ご飯も自分で食べたい。なんならママにも、パパにも、やってあげたい感じだ。

 くっ。これって完全にショッピングモールで見かけたあの面倒くさい状態だ。ていうか、あの子どもたち、家ではもっと大変だったのかもしれない……。

 こんな状態の子どもにどう接すれば良いのだろう。悩みながら、とりあえず発見したのが「やたらとハイテンションで接してみる技」。

 ご飯を食べることができたら、「うわっ! すごいね! やったぁ!!!」
 お風呂に入る時は、「よっしゃあ! お風呂に行っくぞぉぉぉぉ!!!」

 とにかく声を張り上げて(高さも半オクターブぐらい上げる)、陽気に。こうすれば、それなりに機嫌良く一日を過ごしてくれる。ただ、夫が帰宅する頃には、眠くて眠くてしょうがなくなり、娘と一緒にノックアウト。帰宅が遅い夫を「おかえり」と迎えることが少なくなった。

 そんなある日、私はすごく楽に娘を着替えさせる革新的な作戦を編みだした。

 「お着替えする人ー?」
 いつも通り、オムツと洋服を持って、寝ぼけた顔の娘に聞く。娘の返事はもちろん「いや!」。
 おねしょでパンパンになったオムツをぶら下げ、両手を上げた奇妙なフォームで走って逃げていく。よし、作戦発動だ。おもむろに娘に買ってきた洋服を取り出す。

 「ママ、ミニーちゃんのお洋服持っているんだけどなぁ~」
 「……ニニー!」

 よし、かかった! 最近ハマっているミニーマウスを武器に着替えさせる作戦! 娘は奇妙なフォームで私の元へ戻ってくると、素直に袖を通してくれた。

 味を占めた私は近所の子ども服店へ行き、ミニーマウスのTシャツを買いあさった。最後の1枚は娘がリクエストした「てんとう虫」のTシャツ。「む!」と叫び、セレクトしてきてくれた。

 その日から、家に帰れば、「ニニー!」「む!」と着せ替えをせがむ娘。ゴキゲンでファッションショーに興じる娘を見て、私は思わずホッとしていた。

 ところが、ある休日の朝、家族で公園に向かおうとした時、夫と娘の姿を見た私はショックを受けた。

 ダボダボのスエットにTシャツ姿の夫。そして夫の右手を握る、全身キャラ物で固めた娘! 

 ちょっ……ちょっと待って! その格好はやばいって! しかも、娘は奇抜なサングラスを上下逆さにかけてる! それでも夫は「別にいいじゃん」と気にしていない。

私「なんでサングラス上下逆にかけてるの?」
夫「こうやってかけたいんだって。カッコイイじゃん」
私「やっぱりかわいいお洋服着せて行かない?」
夫「だって『ニニー』がいいっていうし」

 譲らない夫の脇で、「早く行こうよ」とせかす娘。その格好は明らかにヤバイのだけど、表情はなんだか誇らしげだ。も、もしかして、おうちファッションショーみたいに、その格好、みんなに披露したいと思ってない? それはちょっと……。

 ただ、そこで、ふと思った。

 これって、よく考えたら、娘が考えたコーデ、ということ?

 オシャレかダサいかは別として、なんだかいろんな意味でジーンとしてきた。もしかしたら、地元のショッピングモールで遭遇したお父さんやお母さんもこんな気持ちだったのかもしれない。

 親が「ちょっと、どうなの?」と思う瞬間にだって、子どもの成長は隠されている。

 筆者(アッコさん)プロフィル
 1993年生まれの26歳。中部地方出身。中学時代は「学校がつまらない」と授業をサボり、成績はオール1。その後、私立の専修学校に進学するも不真面目な素行に加え、成績もふるわず、ヤンキーへの道一直線。卒業後、一度は医療事務の仕事に就いたが、遊びたい気持ちを抑えられず退職。職を転々としていたところ、会社勤めをする夫と出会う。都内で夫と1歳の長女と3人暮らし。

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June 25, 2020 at 08:00AM
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