荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第667回
2020年06月25日 12時00分更新
早起きは猫がたくさん撮れて三文の得
いよいよ夏ですな。いやまだ梅雨だけど、梅雨時の晴れ間は夏といっちゃって過言ではないわけで、夏に街で猫に会いたいと思ったら、早朝である。何はなくとも早朝。5時とか6時とか。8時になるともう遅い。
日が高くなると、猫はどこか人目に付かない少しでも涼しい場所に隠れて寝ているから、人と出会うことはないし、そういう時間帯の屋外は人間の健康にもよくないのだ。早朝は出歩いてる人も少ないしまだ涼しいしで、猫も伸び伸びしてくれる。
ってなことは頭の中でわかってはいるけど、簡単に変えられないのは生活習慣。フリーランスなのをいいことに遅くまで仕事して遅くまで寝てるので早朝は遠い存在、なのだが、先日たまたま疲れてたので早寝してしまって早朝に目覚めたのである。
ああせっかく目覚めたのだからご近所散歩でもするかとぶらぶら歩き始めると、猫遭遇率が全然違う。猫の姿なんて見たことがない駐車場で、ひょっこり車の中から顔を出したり。いつもはどこに隠れてるんだろうというくらい。朝6時、まだ人通りもないので這いつくばってローアングル撮影。朝の静かな感じってよいですな。
この日は標準ズームレンズに加えて、面白がって1970年代に作られた望遠レンズをひとつ持っていった。ペンタックスの「SMC タクマー 200mm F4」という古い望遠レンズ。X-T4がボディー内手ブレ補正に対応したので古い望遠レンズで遊ぶにはいいかなと思って。
早朝の猫はそうそう近寄らせてはくれないので、ちょっと離れたところからじっくりマニュアルフォーカス(MF)で合わせる。猫のように一瞬ですっと動く被写体をMFで捉えるは難しいのだけど、いやでも昔の人はそれで撮ってたのだよな。すごいわ。
マニュアルフォーカスはファインダーを覗いた方が集中できるので、EVFで拡大表示してじわじわと合わせる。慣れてくると「ピントがキタ!」ってのがわかる。日向にいる猫を狙ったら、なんと目だけはまぶしすぎないよう影に入ってるのだった。だから、目元だけ暗いという不思議な感じに。
さらに門扉の向こうにちょこんと座ってる猫と遭遇。おどかさないようにちょっと離れて200mm F4で。ちゃんと門扉の向こうにいる猫の顔にMFでピンを合わせてクラシックネガで。
のんびりMF撮影を楽しんでたら、左手からとことことハチワレがやってきたのである。そしたらこのミケも門から出てきちゃいまして、2匹がからみはじめるではないか。いやあ焦った。動いてる猫をMFで追いかけるとか無理。
というわけで、咄嗟にF4からF8に絞り(その方がピントの合う範囲が広くなる)、フォーカスは勘で合わせながら撮ったのだった。思ったよりちゃんと撮れてたので連続でぜひ。
これに限らず、早朝は2匹以上の猫が絡むシーンによく遭遇する。互いに表に出てきて朝の挨拶をする時間帯なのだ。冒頭写真もそう。これは標準ズームレンズでAFだけど。2匹が仲良く並んで門番してる感じがたまらんかった。
さらに別の場所で、チャトラがいる、と思ったら道路の反対側からチャシロがとことことやってきたので、これは猫の挨拶が撮れる、とカメラを構えたのだった。
やっぱ朝6時くらいの散歩は良いことがいっぱいあって楽しいですな。これで早寝早起きに生活パターンを変えよう……と思いつつ、早起きしたのはこの日だけだったのだった。ダメじゃん。
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富士フイルム「X-T4」に70年代の望遠レンズを付けて早朝猫を撮る! - ASCII.jp
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