【ワシントン=河浪武史】トランプ米政権と議会共和党は、7月中にも決定する追加の経済対策に、新型コロナウイルスの関連訴訟から企業を守る「免責条項」を盛り込む方針だ。従業員や顧客が感染しても企業は巨額の賠償責任などを負わずに済み、事業再開を一段と後押しできるとみる。
共和党の上院トップ、マコネル院内総務が素案をまとめ、ホワイトハウスや上下両院と調整に入った。免責は2019年末から24年末までの5年間が対象で、企業が米疾病対策センター(CDC)などの感染防止対策を順守していれば、賠償責任を負わないよう関連法を定める。教育機関や医療機関、政府機関などにも免責条項を適用する。
免責条項は産業界が導入を強く働きかけてきた。全米商工会議所はマスクの着用義務づけなど連邦政府に感染防止対策を強化するよう促し、その上で賠償訴訟などの免責も求めている。南部アラバマ州など経済再開で先行した一部の州では、連邦政府に先駆けて免責条項を導入している。
米国では既に新型コロナの関連訴訟が急増している。米法律事務所ハントン・アンドリュース・カースの調査では、7月17日時点で関連訴訟は3500件を超えた。小売り最大手のウォルマートは、勤務中に新型コロナに感染して従業員が死亡したとして、遺族から賠償訴訟を提起された。
もっとも、伝統的に労働組合を支持基盤とする民主党は「労働者を一段と危険な環境にさらすことになる」(ペロシ下院議長)と、企業の「コロナ免責」に反対の立場だ。訴訟の権利を求めて「コロナ免責」に反対する弁護士団体なども、民主党の支持基盤の一つだ。
マコネル氏は「免責条項は追加対策の最優先事項」と主張しており、両党は真っ向から対立する。11月には大統領選と連邦議会選を控えており、免責条項が両党の亀裂を深める可能性もある。全米では1日当たりの新規感染者数が7万人超と増え、経済再開と感染リスクのバランスの確保が一段と難しくなっている。
政権と議会指導部は、追加の財政出動を7月中に決める方向で20日から本格議論に入る。新型コロナ対策として失業給付を週600ドル加算しているが、7月末に期限が切れて家計所得が急減するリスクがあるためだ。追加対策としては、中小企業の雇用対策を延長したり、失職者が職場に復帰した際に「ボーナス」を支給したりする案なども浮上している。
米経済は新型コロナの感染再拡大で「V字回復」が一段と遠のいている。「コロナ免責」を巡って議会が膠着状態に陥れば、足取りの重い米景気の新たな不安要素ともなりかねない。
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July 19, 2020 at 12:05PM
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新型コロナ:米、企業に「コロナ賠償免責」 追加対策で法制化検討 - 日本経済新聞
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