ソニーの高木一郎専務は、世界シェア低迷で赤字が続くモバイル事業について、次世代通信規格(5G)技術の導入で「機器連携や新たなサービスが出来上がる」とし、継続することはグループ全体の「シナジーを最大化させるために不可欠」と今後も強化していく姿勢を示した。
高木氏はテレビやカメラ、モバイル事業を4月に統合した「エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション事業」の担当補佐を務める。
21日のブルームバーグなどとのインタビューでモバイル事業について、他のサービスに「いい付加価値を与える」ことが重要とし、グループ内の連携も踏まえ「プレミアム、総合力を結集したスマートフォン」の開発に意欲を見せた。5Gモデルの投入時期への言及は避けた。
モバイル事業は今期(2020年3月期)で3年連続の営業赤字となる見通し。7-9月の販売台数は60万台にとどまり、米IDCが発表した 世界出荷台数(3億5830万台)から算出した世界シェアは0.167%だった。来期(21年3月期)の黒字化を掲げ、生産体制の見直しを進めている。
高木氏は同社のスマホにはテレビや音響、カメラなどグループの技術が結集されているとし、「スマホ事業に協力できる領域は非常に大きい」と話した。現在は日本市場を重視しており、足元でスマホは計画以上に売れているとの認識を示した。
ソニーがスウェーデンの通信機器大手エリクソンとの合弁で始めた携帯事業は、ウォークマン携帯など独自商品の展開により、08年3月期の販売台数は1億台を超えた。11年に完全子会社化したが、米アップルや韓国サムスン電子、中国の華為技術(ファーウェイ)の海外勢に押され、19年3月期は650万台まで落ち込んだ。
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November 21, 2019 at 11:00AM
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