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停滞するリニア工事、国交省「成田に学ぶ」…困惑する静岡県側 - 読売新聞

 リニア中央新幹線のトンネル工事を巡る静岡県とJR東海の交渉が混迷の度を深めている。国土交通省は9日、JR東海と成田国際空港会社の幹部らを集めた勉強会を開き、事態打開のヒントを得ようと話し合ったが、妙案は見つからないままだ。2027年を目指す東京(品川)―名古屋間の開業目標の延期も現実味を帯びてきた。

 9日の勉強会で国交省の水嶋智鉄道局長は冒頭、「日本の成長のために必要な交通インフラ整備に当たり、地域社会とどう信頼関係を築いていくか実りある議論を」と呼びかけた。

 勉強会は、用地取得や騒音といった問題を巡り地域住民との対話を長年続けてきた成田空港の事例に学び、リニア静岡工区の事態打開策を探ることだ。

 ただ、こうした動きに静岡県は困惑している。勉強会の開催を聞いた静岡県幹部は同日、過激派が参加し、闘争に発展した成田とトンネル工事問題を同じ土俵に上げる国交省の姿勢に疑問を投げかけた。

 トンネル工事による大井川の水不足を懸念し、静岡工区(約9キロ・メートル)の工事に「待った」をかけている静岡県の川勝平太知事とJR東海の協議は、2年以上も平行線をたどる。今年10月には国交省が主導し、静岡県、JR東海の3者の協議体をつくる方向で一致したものの、事態は停滞している。

 JR東海の金子慎社長は今月4日に開いた記者会見でも「27年はタイトな工期だが全力で頑張る」との姿勢を崩していない。27年の開業に向け、関係者間では「19年中の着工合意が必要」との見方が多かったが、「越年は避けられない」(政府関係者)状況だ。関係者からは「どこかで開業延期を判断しなければならない」との声も出始めている。

 JR東海が事業化を進めるリニア中央新幹線は、世界で唯一実用化段階に達した「超電導リニアモーターカー」の技術で、時速500キロでの営業運転を目指している。世界の高速鉄道では、中国の存在感が高まっており、日本はリニア技術をアピールし、対抗する考えだ。

 世界では、日本の新幹線技術を参考に、1980年代頃から高速鉄道が次々と導入され、いまや時速300キロ超が当たり前だ。独仏では国境を越える列車も運行されている。

 高速化が遅れた中国でも最新式高速鉄道の導入が一気に進む。導入から約15年で路線網は日本の新幹線の10倍近くまで広がった。速度面でも、上海の浦東国際空港と郊外を結ぶ上海リニアで最高速度430キロの運転を実現。日中は、鉄道技術輸出を競い合うライバルとなっている。

 一方、JR東海が導入する「超電導リニア」の技術では、日本が世界を先行している。車両の電磁石を零下まで冷やし、電気抵抗をゼロにした強力な磁力で車両を浮かせ推進する。超電導を使わない上海リニアに比べ、急な加減速が可能なうえ、車体を約10センチ浮かせることから安全性も高いとされる。

 日本のリニア技術は、ほぼ完成済みで、米国でも導入が検討されるなど、海外への輸出も視野に入っている。ただ、本格的な海外展開には安全性の高さや運用を実際の営業運転で証明する必要があり、リニア中央新幹線の開業の遅れは痛手となる。

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December 10, 2019 at 07:05AM
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