「スマートなオートメーションで、パーソナルケアの世界を簡素化」することを目指すCoral(コーラル)は、その実現のために430万ドル(約4億7000万円)を調達した。最終目標は何なのか。それは爪にマニキュアを塗ってくれる家庭用の完全自動マシンだ。指を突っ込んで押す。数秒間待てば、爪にマニキュアをきれいに塗って乾燥までしてくれる。会話の中で、何度も「キューリグのコーヒーマシンです。ただし爪のね」という表現が出ていた。
会社が設立されて間もない。実際に機能するマシンはあるが、彼らはそれがまだプロトタイプだという。
そのため、細部についてはまだまだ秘密が多い。どんな仕組みなのか、詳しくは話してくれなかった。彼らが教えてくれたのは、一度に塗れるのは1つの指だけで、すべての指を乾燥まで仕上げるのに10分かかるということだ。マニキュアに耐久性を持たせつつ乾燥の短縮できているのは、Coral独自のネイルポリッシュのおかげだ。だから、一般的なネイルポリッシュを機械にセットしても無駄だ。Coralのポリッシュはポッド入りで販売される(だからキューリグに例えられる)。ポッドは個別に買うこともできるが、定期購入もできる。マシンの中にはカメラがあり、独自のコンピュータービジョンのアルゴリズムが機能して、正確にマニキュアを塗ることができる。はみ出した箇所を処置後に自分で拭くといった手間はかからない。
価格もまだ明かされていない、というより、正確に言えばまだ決まっていない。Coralの共同創設者Ramya Venkateswaran(ラムヤ・ベンカテスワラン)氏は、これを「高級品」に位置づけたいと話していたが、価格設定はまだ定まらない状態だ。
私たちは何年も前から自動的にマニキュアを塗る数々のマシンを(今年の初めにCESに見たワイルドなアートを描くものも含め)目にしてきたが、Coralは、利用者が事前にベースコートを塗ったり、後でクリアコートを塗り重ねる必要がない唯一のシステムだと言っている。先に何も塗っていない状態の爪でマニキュアを塗ることができるのだ。
Coralには現在8人が在籍している。そのほとんどが機械工学、化学、ソフトウエアの専門家だ。2人の共同創設者もハードウェア畑の出身。ベンカテスワラン氏は、以前はDolby(ドルビー)の製品戦略マネージャーとして、ドルビーカンファレンスフォンの立ち上げを手伝った。共同創設者のBradley Leong(ブラッドリー・レオン)氏は、2012年にiPadに装着するノートパソコン風のキーボードの先駆け的存在だったBrydgeのKickstarterで80万ドル(約8800万円)を調達し、その後はシードステージのベンチャーファンドであるTandem Capital(タンデム・キャピタル)のパートナーになった。「このマシンの元になったイノベーション」を発見したのは、業務用ハードウェアのリサーチをしていたときだったと彼は話してくれた。
ベンカテスワラン氏によれば、CoralはCrossLink Capital(クロスリンク・キャピタル)、Root Ventures(ルート・ベンチャーズ)、Tandem CapitalY Combinator(Yコンビネーター)から430万ドル(約4億7000万円)を調達した。同社は現在、Y Conninator Winter2020クラスに参加している。そのため、2020年3月に予定されているデモデーには、もっといろいろな話が聞けそうだ。
今後同社では、プロトタイプを一般消費者向けの製品に仕上げた後、数カ月間の小規模なベータテストを行う予定だ(テストにはここから申し込める)。
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(翻訳:金井哲夫)
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December 21, 2019 at 09:15AM
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