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“危機”にあるグーグルは、共同創業者の退任でどこへと向かうのか? - WIRED.jp

グーグルの共同創業者であるラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンの退任が発表された。規制当局による独禁法違反の調査や従業員との緊張関係など創業以来で最大とも言える“危機”が続く同社にとって、精神的な支えともいえる存在が退くことは、少なくない意味をもつ。

WIRED(US)

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KIM KULISH/CORBIS/GETTY IMAGES

グーグルにおいて、ひとつの時代が正式に終わりを迎えた。反トラスト法(独占禁止法)違反に関する一連の調査を受け、ストライキなどによる従業員との緊張が高まるなか、共同創業者のラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンの退任が12月3日(米国時間)に発表された。ペイジはグーグルの持ち株会社であるアルファベットの最高経営責任者(CEO)で、ブリンは社長を務めていた。グーグルの現CEOであるスンダー・ピチャイが、今後はアルファベットのCEOを兼任する。

ペイジとブリンは完全に経営から退くわけではなく、引き続きアルファベットの取締役会にとどまる。規制当局への直近の提出書類によると、ふたりは合わせて議決権の51.3パーセントを保有している。つまり、もはや日常の運営にはかかわらないが、会社の支配権は維持するということになる。

「企業を人間に例えると、2019年のグーグルは21歳の若者であり、巣から飛び立つ時期です」と、ブリンとペイジは共同声明で述べている。「これほど長くグーグルの日常的な運営に深く関与できたことは、本当に特別な体験でした。しかし、これからは愛情をもって誇らしげに見守り、アドヴァイスを提供する親の役目になるときが訪れたと考えています。口やかましいことは言わずに!」

相互補完の関係にあったふたり

ペイジとブリンは、ともにスタンフォード大学でコンピューターサイエンスを専攻する大学院生だった1998年にグーグルを創業した。「彼は何ごとについても主張を曲げないタイプで、かなり嫌なやつだと思いました。わたしもそうだったとは思いますが」と、ペイジは2005年の『WIRED』US版の取材でブリンについて語っている。「わたしたちは互いに嫌なやつだと思っていたんです」と、ブリンも答えている。

しかし、このふたりは相互に補完し合い、協力し、検索エンジンのスタートアップをシリコンヴァレーの巨人へと成長させた。テクノロジーを通じて世界を変革しようという野心をもち、「Don’t Be Evil(邪悪になるな)」を行動規範として掲げ(現在は行動規範から削除されている)、グーグルの業務に携わってきた。

グーグルについては雑誌『WIRED』US版9月号の特集で深掘りしているが、同社は創業当初から独自のオープンな文化をもっていた。従業員は「全身全霊で」仕事に打ち込み、意見が異なる場合は発言することを奨励された。毎週木曜には「TGIF」と呼ばれる全社会議が開催され、従業員は経営幹部にどんな挑戦的な質問でもすることができる。

ブリンとペイジは2001年、投資家の意見によってエリック・シュミットをグーグルの最初のCEOに就任させることになる。その10年後、ペイジは再びCEOに就任し、ブリンよりも同社の日常的な経営に関与するようになった。しかし、ペイジも2015年、グーグルの再編後に同社のCEOを退いている。

グーグル創業以来で最大の危機

グーグルの本業である広告とインターネット事業を同社のより野心的な研究プロジェクトや企業買収と切り離すために、持ち株会社のアルファベットが設立されたのは4年前のことだ。このタイミングで、長らく経営幹部だったピチャイがグーグルのCEOに就任した。

それ以来、それぞれ500億ドル以上の資産を有するペイジとブリンはあまり表舞台には立たなくなり、代わりに空飛ぶクルマや未来のロボットといった実験的なプロジェクトに専念している。公の場に出たり、投資家に収支報告をしたりすることもめったになく、6月の年次株主総会にも出席しなかった。

ブリンとペイジの退任は、グーグルが創業以来で最大となる危機に立ち向かっている現状と時を同じくしている。同社は引き続き増益を記録しているが、議会や州司法長官、連邦規制当局が独禁法違反の疑いで調査を続けている。ちょうど今週にも欧州連合(EU)の規制当局が、広告事業のためのデータの収集・使用方法に関して、グーグルとフェイスブックに予備調査を実施していることを発表した。

グーグルと従業員との緊張関係も注目されている。数人の職員が休職を命じられたのちに解雇されたことに抗議するため、10月後半には200人以上の従業員がサンフランシスコにあるオフィスの外に集まってストライキを実施した。元従業員らは12月3日(米国時間)、不当な労働慣行に関する苦情を全米労働関係委員会に提出予定であると発表している。

今後も経営には関与

過去数年にわたり、グーグルの従業員は米政府機関と同社の契約に抗議しているほか、中国向けの検閲機能付き検索エンジンの開発プロジェクトの中止も訴えている(のちにグーグルは、このプロジェクトの中止を表明している)。そしてこの11月には、社内のセクシャルハラスメントや差別、賃金の不平等などを巡って2万人の従業員がストライキを実施している。

これらの逆風にもかかわらず、グーグルとアルファベットはフィットビットなどを買収したり、数十億ドルの利益を上げたりして成長を続けている。同社の共同創業者がグーグルの先行きに関していくらか不安を抱いているとしても、共同声明の最後には、後任と連絡をとりながら経営に関与し続けていくと明言されている。「自分たちが強い関心をもっている問題については定期的にスンダーと協議するつもりです」

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December 05, 2019 at 07:30AM
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