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無制限ではなくなるGoogleフォト、「生涯の思い出のため」にできることを考えてみた - ITmedia

 Googleが11月11日にGoogleフォトの「高画質」画像と動画の無制限バックアップサービスを終了すると発表したことが、大きな反響を呼びました。非IT系の知人もランチで話題にしたのが感慨深かったです。

 photo 1 発表した公式ブログ

 何が衝撃かというと、無制限バックアップサービスが終了すると、これまでバックアップ先のGoogleドライブの15GBという容量にカウントされていなかった画像と動画が、容量にカウントされるようになり、つまり、うっかりするとすぐに上限に達してGoogleドライブの有料版「Google One」にアップグレードするか、他のサービスに乗り換えなければならなくなるのです。

 今回の「Googleさん」は、このGoogleフォトの話です。ただし、「どのサービスに乗り換えるとお得か?」という話ではないです。個人的には、無制限を終了しても総合的にまだGoogleフォトがお得で持続性があると思っているので(他のサービスだっていつ料金やシステムが変わるか分からないし、なくなっちゃうかもしれないし)。どちらかというと、使い続けるためにできることの話です。

 2015年にGoogleフォトを発表したとき、責任者のアニル・サバルワルさんは「人類はこれまでに何兆枚もの写真を撮影していて、今年だけでも何兆枚もの写真を撮るでしょう」と語り、Googleフォトを、「あなたのすべての写真と動画、生涯の想い出のためのホーム」と紹介しました。

 2015 デビュー当時のGoogleフォト。ロゴもなつかしい

 そのときから、オリジナル解像度(Googleさん用語で「元の画質」)ではなく、ちょっと圧縮してあるけど人間の目には十分高品質な写真と動画(Googleさん用語で「高画質」)であれば、いくらでも、なんの心配もなく、Googleフォトにばんばんバックアップできるようになりました。無料のGoogleドライブには15GBまでという上限がありますが、高画質の写真と動画は容量にカウントしない、というありがたすぎる決まりです。

 無制限だと思うと、「あ、これ気になるな」くらいのものでもとりあえずスマホを取り出してぱしゃっとやります。先日、非IT系の友人3人(めずらしく全員Android端末持ち)と1泊旅行したんですが、全員が1歩進むとぱしゃ、料理が出るたびにぱしゃ、という感じ。中には写真ではなく動画で宿の中などをたくさん撮影する人も。日頃からそうしているそうです。旅の終わりには、私が作ったGoogleフォトのアルバムに4人がそれぞれのコンテンツを追加しました。「同じシーンはいちばんうまく撮れたやつだけ残すからねー」ということにしましたが、アルバムから削除されたコンテンツもクラウドには残ります。

 私は、記事を書くためにスマートフォンの画面のスクリーンショットをばんばん撮って、その都度削除するのは面倒なのでそのままにしています(Pixelくんにたまに「アーカイブしますか?」ときかれても、後でやろうっと、とそのままに)。先日は実家の整理で大量の家族の写真アルバムを処分することになり、さすがに全部は残せませんが、かなりの枚数の写真をフォトスキャンでGoogleフォトにバックアップしました。家の近所を散歩していて、空き家が壊されて新しい家になる過程を「Scrap and Build」アルバムに記録していくのも趣味です。

 old フォトスキャンした写真は「old photos」アルバムに入れ、オリジナルはすべて処分してしまいました。母がつけてくれたキャプションも残せるのがフォトスキャンのいいところ

 写真だけならかわいいものですが、コロナ禍で急増中のウェビナーの動画などをバックアップしている人もいるのでは。

 Googleさんも、データ量が膨大になることは、それなりに覚悟していたとは思います。でも、たぶん、ユーザーが予想を上回るスピードと量でコンテンツ(いちいち写真と動画、というのが面倒なのでここからはこう言います)をアップロードするので、「このままじゃ数年後にはデータセンターやばくね?」ということになったんでしょう。これは記事ではなくコラムなので想像で書いちゃいますが、GoogleのAIが「このペースで行くと○年後にはうちでサポートできる量を超えると思う」と警告したんじゃないかな。

 11月11日の公式ブログによると、現在4兆枚以上の写真がGoogleフォトに保存されており、毎週280億点の新しいコンテンツがアップロードされているそうです。つまり、1年で1兆4560億点。アニルさんが2015年に語った世界中の人が1年で撮影するコンテンツがすべてGoogleフォトにバックアップされているようなものです。

 無制限終了に対し、「最初に無制限と言っておきながら、あとからはしごを外すようなことをするなんてEvilだ」という声もあります。でもEvilというより、予測が甘かったんじゃないかなぁと思います。頭のいいGoogleさんでも、人の心の動きを理解するのは苦手かも。無制限にしたら、人がここまで何も考えずになんでもかんでもバックアップするとは予想できなかったんじゃないかな。

 だから、無制限終了の目的は、金儲けではなく、人の心にブレーキをかけることだと思います。

 無制限じゃなくなれば、人間だもの、たとえわずか月に250円でも有料にならないよう、コンテンツをバックアップするときにちょっと考えるようになるでしょう。

 これまでも、Googleから「Googleドライブの上限をもうすぐ超えますよ」と警告が出てはじめてGmailから不要なメールを削除したことのある人は多いのでは? 私はそうでした。それが面倒になってやっと、今はGoogle Oneの月額250円で100GBプランにしてます。

 Googleさんもこの変更がユーザーに与える打撃はさすがに予想していたので、発表から実施までに半年以上の猶予を設けました。なるべく有料プランに移行しなくて済むように、何も考えずにバックアップした不要なファイルを、この期間に整理してもらおうということです。

 なお、来年の6月30日までにバックアップしたコンテンツはカウントしません。(これを知って「いまのうちに」と思う人がたくさんいそうですが、その分のゆとりくらいは用意しているでしょう。)

 無制限終了を少しでも心安らかに受け止めてもらうために、Googleさんはいろいろ考えました。

 まず、自分があとどのくらいGoogleドライブを使い続けられるかを見積もれるツールを提供しています。

 tool 100GBプランでもあと2年しか使えない見積もり

 それと、これは来年の6月に公開だそう(もうちょっと早く欲しい)ですが、削除してもよさそうなコンテンツを提示する“削除お助け”ツールも準備中です。公式ブログでは「このツールは、残したい想い出と、暗かったりピンボケだったりする写真や、容量を食ってて削除してもよさそうな動画などを表示するツール」と説明しています。

 toole 2 来年6月登場予定のGoogleフォト整理用ツール

 上の画像(Google提供のGIFから編集)を見ると、「大容量の写真と動画」「ピンぼけ写真」「暗い写真」「その他のアプリ」「スクリーンショット」をそれぞれ一覧表示し、その中から削除したい写真を選べるようになっています。ピンぼけでも暗くても、残しておきたい写真もあるはずなので、1枚ずつ確認できるようにしてくれました。

 さらに、たぶんこれとは別になると思いますが、「元の画質」で保存してあるコンテンツを「高画質」に変換するツールも準備中だそうです。

 Googleフォトの中の人でよく公式ブログを書いているデビッド・リーブさん(Googleフォトの良心だと私は思ってます)は自身のTwitterアカウントで、この決定にみんながショックを受けることは分かっているけれど、「みなさんの大事な人生の記録を責任を持って維持することに主要なコストを集中させることにしました」とツイートしました。

 Googleフォトは、とりあえずなんでも放り込んでおく倉庫ではなく、人生の記録を残す場になりつつある、と。確かに生まれたときに既にGoogleフォトがあった子どもたちにとっては、Googleフォトが成長アルバムであり、自分で写真を撮るようになってからも、例えば親からアルバムを共有してもらい、その先をずっと追加していくものになるでしょう。

 私のGoogleフォトで一番古いのは2003年の飲み会の写真でした。もう会えない友達も写っています。これはずっととっておきたい。

 なので、ちゃんと守ってくれるなら、年2500円は安いと私は思っています。あと3年でもう1つ上のプラン、200GBを3800円になるかもしれませんが、まあ、払えないこともない。

 老い先短いと思うので、その上の2TBを年額1万3000円、というところまでは行かずに死ねる気がしますが、まだ若い人たちにとっては200GBと2TBのギャップは心配でしょう。

 plan 現行のGoogle One(Googleドライブの有料版)のプラン(これの上に20TBと30TBのプランもある)

 リーブさんは「200GBと2TBの間、2TBと10TB(月額6500円)の間に別のプランを追加する予定はない?」という質問に対し、「いいフィードバックですね。ありがとう」と答えています。もしかしたら、追加になるかもしれません。

 いつなくなるか不安な無料無制限サービスよりも、お金さえ払えばちゃんと守ってくれるサービスの方が私は安心。長生きしても、月額1万9500円の30TBプランなら最期までもちそうです。

 Googleさんとしてはお金を取るからには絶対にデータを壊したりなくしたりできないので、大変ですが、よろしくお願いしたいです。

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November 23, 2020 at 06:38AM
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